ニーモ スイッチバックを3ヶ月、布団代わりに毎日使ってみた結果
正月にふと思いついて、ひとつ実験を始めました。
「クローズドセルマットを長期間、毎日使ったらどうなるのか?」
NEMOのスイッチバックです。
キャンプ用マットとしては定番で、パタパタと折り畳めて、パンクの心配がないクローズドセルタイプのマット。
今回はこれを、自宅で布団代わりに約3ヶ月間、毎日使ってみました。
結論から言います。
ヘタりました。
なぜこんな実験をしたのか
当サイトは防災からスタートしたキャンプサイトなので、防災が思考の中心です。
私は東京に住んでいますが、東京という場所は便利である一方、災害時にはあらゆるエリアで問題を抱えやすい街でもあります。
地震、火災、停電、断水、交通麻痺、避難所の混雑。
考え始めると、備えるべきものは無限にあるように感じます。
ただ、最近思うのは、備えとは単にモノを買うことではないということです。
もちろん道具は大切です。
でも、本当に怖いのは「モノがないこと」よりも、知識がないことなのではないか。
何が使えて、何が使えないのか。
どれくらい耐久性があるのか。
避難生活で本当に必要になるものは何なのか。
そういうことを知っているかどうかで、かなり変わる気がしています。
避難所生活で一番きついのは「寝ること」かも
キャンプをしている人なら分かると思いますが、寝る環境はかなり重要です。
マットはキャンプではもちろん、睡眠の質に直結します。
そしてこれは、災害時の避難先でも同じです。
避難所としてよく使われる体育館は、基本的に硬いです。
そして冬は、底冷えします。
床の硬さ。
床から伝わる冷え。
体の痛み。
寝返りのしづらさ。
外で寝ることに慣れているキャンパーでさえ、底冷えやゴツゴツには悩まされます。
普段キャンプをしない人が、いきなり体育館の床で寝るのはかなり厳しいと思います。
防災用に寝袋を買う前に、まず考えたいのはマット
もちろん寝袋も大事です。
ただ、極端な話、真夏なら寝袋はなくても何とかなる場合があります。
逆に冬は、いわゆる3シーズン用の寝袋では厳しいです。
命に関わります。
我が家は冬キャンプをするので、冬用寝袋を持っています。
妻はカリンシアを使っています。
でも、通年で必要になるのは何かと考えると、個人的には寝袋よりもマットだと思っています。
毛布では床の硬さは消せません。
床からの冷えも防ぎにくいです。
必要なのは、体と床の間に空気の層を作ること。
つまり、マットです。
ちなみに、ダンボールは意外と優秀です。
避難所で床に直接寝るくらいなら、ダンボールがあるだけでもかなり違うと思います。
3ヶ月使ってヘタった場所は「お尻」と「腰」

今回、ニーモ スイッチバックを約3ヶ月間、毎日使ってみて分かったことがあります。
ヘタる場所は、はっきりしていました。
お尻と腰のあたりです。
つまり、マットの真ん中付近。
頭側と脚側は、そこまで問題ありません。
でも、体重が集中する腰まわりは明らかに潰れてきます。
人間の体で一番重く、なおかつ出っ張っている部分が、お尻と腰なんだと実感しました。
自宅で使っている分には、まだ普通に寝られます。
ただし、底付き感はあります。
新品のときのような「床から守られている感じ」は薄くなりました。
キャンプなら60〜100泊程度でヘタる可能性がある
今回の使用条件は、約3ヶ月間の毎日使用です。
単純に考えると、キャンプで使った場合は、
60〜100泊程度でかなりヘタりを感じる可能性があると思います。
もちろん、体重、寝方、使う地面、下に敷くもの、保管状態によって変わります。
ただ、少なくとも「一生モノ」ではありません。
クローズドセルマットは頑丈なイメージがありますが、使い続ければ潰れます。
特に、腰とお尻の部分は避けられないと思います。
避難所生活で考えると、3〜4ヶ月でヘタるということ
この実験で一番考えさせられたのは、防災用品として見た場合です。
もし避難所生活が長期化したらどうなるのか。
今回の結果から考えると、
3〜4ヶ月の避難所生活で、クローズドセルマットはかなりヘタる可能性があるということです。
もちろん、ないよりは圧倒的に良いです。
床に直接寝るよりは、絶対にマシです。
でも、長期的に快適な寝床を維持できるかというと、そこには限界があります。
防災用品としてマットを用意するなら、
「買って終わり」ではなく、
「どれくらい使えるのか」まで考えた方が良いです。
エアーマットやインフレーターマットは快適。ただ、弱点もある。
個人的には、インフレーターマットが好みです。
厚みがあり、寝心地も良く、地面の凹凸もかなり軽減してくれます。
キャンプで使うなら、とても頼れるアイテムです。
ただし、弱点があります。
パンクする可能性があることです。
キャンプなら、たとえパンクしてもその1泊を我慢すれば何とかなります。
でも避難所生活ではそうはいきません。
補修できる環境があるとは限りません。
空気を入れるスペースや時間があるとも限りません。
雑多な場所で使うなら、穴が空くリスクも上がります。
そう考えると、避難所用としては少し使いにくさも感じます。
やはりクローズドセルマットは防災向き
では、防災用として何が良いのか。
個人的には、やはりクローズドセルマットはかなり有力だと思います。
理由はシンプルです。
- パンクしない
- 広げるだけで使える
- 濡れても比較的扱いやすい
- 折り畳みが早い
- 床の硬さと冷えをある程度防げる
特に、避難所や車中泊、屋外での一時避難を考えるなら、
「確実に使える」というのは大きなメリットです。
エアーマットのような快適さはありません。
でも、壊れにくく、すぐ使える。
これは防災用品としてかなり重要です。
ニーモ スイッチバックは高価。安いマット2枚重ねもあり
ただ、正直なところ高価です。
家族分をそろえるとなると、なかなかの金額になります。
そこで現実的な選択肢として、
リーズナブルなクローズドセルマットを2枚重ねるという方法もありだと思います。
2枚重ねにすれば、厚みも出ます。
ヘタったときのダメージも分散できます。
状況によっては、1枚を誰かに貸すこともできます。
もちろん収納サイズは大きくなりますが、防災用として考えるなら十分検討する価値があります。
マットは寿命がある
腰とお尻の部分を中心にヘタりました。
新品時のような弾力や安心感はなくなり、底付き感も出てきました。
ただ、それでもクローズドセルマットの価値は高いと思っています。
避難所の床に直接寝るよりは、はるかに良いです。
ダンボールと組み合わせれば、さらに現実的です。
パンクしないという安心感もあります。
今回の実験で分かったのは、
クローズドセルマットは万能ではないけれど、
防災用品としてかなり信頼できる道具だということです。
ただし、長期使用ではヘタります。
だからこそ、備えるなら「買ったから安心」ではなく、
実際に使ってみること。
限界を知ること。
代替手段を考えておくこと。
防災に必要なのは、モノだけではありません。
本当に大切なのは、
モノをどう使うかを知っていることなのだと感じた実験になりました。

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