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気軽に使えるけど万人向けではない? SOTO トレックマスター ST‑331を“注意=理解すれば最高!”という視点で語ります

ドロップダウン対策〜5℃以下の盲点
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大前提としてトレックマスターは「素晴らしいモデル」

まず断っておきますが、トレックマスターは「素晴らしいモデル」です。
私自身もこのバーナーが大好きです。
それを前提に、今回はなぜ「万人にはおすすめできない」という視点で書きます。
ギア選びで後悔しないために、是非一読して欲しいです。

製品紹介(ざっとスペック)

  • 名称:SOTO トレックマスター ST‑331
  • 重量:約 195 g。
  • 収納時サイズ:幅90 × 奥行70 × 高さ105 mm(ホース含む)
  • 使用時サイズ:幅500 × 奥行140 × 高さ105 mm(ホース含む)
  • 発熱量(気温25℃無風条件):
    • CB TOUGH (ST‑711/712)使用時 → 3.0 kW (2,600 kcal/h)
    • パワーガス(ST‑760)使用時 → 2.8 kW (2,400 kcal/h)
    • レギュラーガス(ST‑700)使用時 → 2.3 kW (2,000 kcal/h)
  • 使用時間目安:例えば ST‑700 使用時で約1.5 時間。
  • 対応燃料:SOTO製CB缶(ST‑711, ST‑712, ST‑760, ST‑700)
  • 点火方式:圧電点火装置(イグナイター)なし。マッチやフリント式ライター等を別途用意する必要あり。

魅力

  • CB缶(カセットボンベ)仕様でありながら、液出し燃焼構造を採用しており、寒冷地・高所でも火力が落ちにくい。
  • 分離型&低重心設計なので、不整地でも比較的安定して設置可能。
  • 軽量・コンパクトで、登山やトレッキング用途でも持っていける。
  • 普段使い(例えばキャンプ・山行)でも「頼もしい相棒」としての信頼感あり。

なぜ「万人にはおすすめできない」のか

「バーナー初心者」「手軽に焚き火・調理を楽しみたいだけ」の方には、少しハードルがあるという意味です。

火力調整が(ほぼ)できない

いわゆる液体燃料ストーブ(ガソリン・灯油式)と同じ特徴を持っています。
具体的には「中火〜強火」は出せるけれど、「弱火でじっくり煮込む」という使い方には適しません
トレックマスターを使うなら「湯を沸かす」「パンッと炒める」「短時間調理」など、割り切った使い方がベストです。

プレヒート(予熱)が必要、点火が手間

液出し型ストーブの特性として、使用前に「予熱」「液体をバーナー部で気化させる」ための儀式が存在します。
トレックマスターの場合、CB缶を立て着火、30秒でプレヒート完了、CB缶を寝かせて本燃焼。
つまり「火をつけたら即クッカー載せて調理」という手軽感を求める人には向きません
また、イグナイター(着火装置)がないので、マッチやライターで着火します。

火のコントロール・安全に対する配慮が必要

液出し構造ゆえ、火が“ドロップダウン(火力低下)しにくい”というメリットの反面、プレヒートを省いたり強風で煽られると“火だるま”になってしまう恐れがあります。
テント内・密室での使用、風の強い場所での無防備な設置など、取り扱いには注意が必要です。

煮込み用途や弱火用途を期待すると失望する可能性あり

「弱火で長時間じっくり」や「こまめに火力を落として温め続ける」といった用途にはあまり適していません。
これは「液体燃料ストーブ的な構造」である以上、仕方ない特性です。
もし「温めっぱなし」「スロークック」「弱火で仕込む」といった使い方を想定しているなら、諦めた方が良いと思います。

どんな人に向いていて、どんな人には注意?

トレックマスターを 超おすすめしたい人

  • 2台目以降に入手するバーナーであること:1台目としては特殊すぎて万能ではありません。コールマンのガソリンバーナーの方が1台目として万能です。
  • 雪山・高所・低温環境で使う予定がある本格派登山者。
  • 不整地・傾斜地でも安定して調理をしたい人。
  • 「とにかく火力安定」「CB缶でコストを抑えたい」「信頼できるギアを(追加で)一本持ちたい」と思っている人。
  • 少し手間をかけることを楽しめる「儀式好き」「儀式をしてみたい」アウトドアユーザー。

注意したほうが良い人

  • アウトドア初心者で「火力調整/弱火料理/手軽に使いたい」だけという人。
  • テント内でクッキングしたい/風防なしで不安な環境という人。
    -「マッチやライター持ってない」「すぐ使えるバーナーが良い」というスタイルの人。

注意を促してくれるのは良いモデルであることも確か

  • プレヒートを必ず守る:CB缶を立てて30秒程度燃焼 → 本体が温まり液体ガスが気化して本燃焼(正常燃焼モード)に入る。省くと炎が吹き上がる恐れあり。
  • イグナイター(着火装置)非搭載のため、信頼性の高いライター/マッチ携行を。風が強い場所では着火できないリスクがある。
  • 不整地・風のある環境では、ホースのたるみ・缶の設置位置に注意。低重心設計とはいえ、転倒・缶浮きには備えを。
  • テント内での使用は推奨されていません。CB缶使用なので換気・火気管理に特に注意。
  • 調理用途(煮込みなど)で長時間使う場合は、燃料残量・火力状態・クッカーの温度変化などを確認。弱火には向かない構造です。
  • ちょっとした風防がついているもの、風に強いということはないので、風の強い環境では別途ウインドスクリーンを用意するのが無難です。

「頼もしい相棒」になるには相手を理解することが必要

改めて言いますが、SOTO トレックマスターは「頼もしい相棒」です。
本格的な登山・雪山じゃなくても、10月末〜3月上旬の冬季キャンプには、これ以上ない選択肢の一つです。
でも「簡単・手軽・誰でもすぐ扱える」モデルではありません。
そのギャップを理解したうえで選び、使いこなせば、きっと満足できるギアとなるでしょう。

ぜひ、少し“昔の手法”に戻ったこのモデルを、「懐かしさ」「ノスタルジー」を味わいながら、ちょっと面倒だけど頼りになる相棒として手に入れてください。

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