災害時の最強サバイバル術：『逃げる』を実現するために持たない選択とは？

災害時の最優先事項は『命を守ること』

災害が起きた際、最終手段は「その場から安全な場所へ逃げる」ことです。
地震、洪水、火災、土砂崩れなど、どんな状況であっても、「逃げる」という選択肢は生き延びる可能性を大きく高めます。
しかし、逃げることを妨げる要因の一つが、「持ち物への執着」です。
高価な持ち物や「これだけは置いていけない」という思いが、判断を遅らせることがあります。
それが命取りにならないよう、日頃から計画的な準備と「持たない選択」という考え方も重要なんだと感じています。

ポータブル電源と災害時のジレンマ

近年、ポータブル電源（ポタ電）は、停電時やアウトドアで非常に便利なツールとして注目されています。
たとえば、災害時に冷蔵庫や家電を動かすために役立つ一方、重さやサイズ、限られた電力供給能力が災害時の逃げる判断を難しくする可能性があります。
さらに、ソーラーパネルを用いた充電という手段もありますが、天候が悪化している災害時には頼りにならない場合もあります。
ポータブル電源に限らず、高価で重量のある災害グッズ全般について、「有事に逃げるために割り切れるかどうか」を事前に問うことが大切かもしれません。

日常・災害時に待機・避難を加えたポタ電マトリクスで考えてみる

一般的には「ポタ電を持つと災害時に安心」と説明されます。
私には重量級のポタ電を移動させないことが前提になっているように感じます。
ならば日常・災害時に「移動する・しない」を加えたらどうでしょう。
表には平常時・継続中（災害中だけれども自宅待機）とイベント・非常時（避難時）として加えました。
するとポタ電を持つと安心・不安じゃない4つのイメージが浮かび上がります。
この4つのイメージは各々違います。

安心だったはずのポタ電が限定的な使い方になりました。
この限定的な家電が逃げる時の判断を鈍らせるなら、必要ないのかもしれません。
個人的にはポタ電はあると便利ですが、過信や期待は禁物と感じています。

逃げるというマインドで考えるとポータブル電源よりもラジオやモバイルバッテリーが良いかもしれません。

用途	日常生活での必要性	災害時の必要性	逃げる際の妨げになるか
ポータブル電源	高い（アウトドア、停電対策）	中程度（状況次第）	高い（重量や執着がネックに）
乾電池式ラジオ	中程度（防災準備品）	高い（情報収集に必須）	低い（軽量で持ち運びやすい）
ソーラーパネル	低い（非常時用）	中程度（天候依存）	中程度（展開に手間がかかる）

このように、事前に持ち物を「災害時に本当に必要なもの」「軽くて持ち運びやすいもの」に限定し、プランA・B・Cを構築しておくことが大切です。

『逃げる』ための覚悟と準備

災害時の被害を最小限に抑えるためには、以下のポイントを日頃から意識しておきましょう：

• 1つの物に執着しない：高価なものでも、命を守るためには手放す覚悟が必要です。
• 優先順位を明確にする：最低限必要な持ち物（例：飲料水、軽量な非常食、ラジオ、ヘッドライトなど）を普段からリスト化しておく。
• 逃げる訓練を行う：地域の避難経路を確認し、実際に移動してみる。

災害グッズは軽量・コンパクト・捨てても惜しくないものを選ぶ

たとえば、ポータブル電源の代わりに次のような軽量でシンプルなアイテムを備えておくと、災害時にも迅速に行動ができます：

• モバイルバッテリー（軽量でポケットに入るサイズのもの）
• 手回し充電式ラジオ（携帯充電機能付きのもの）
• 軽量かつコンパクトな防寒シートや簡易寝袋

災害時は、「豪華さ」や「便利さ」よりも、「実用性」と「迅速な移動のしやすさ」が最優先されるべきです。

災害時の最大の武器は、冷静な判断と準備

災害時に最も重要なのは、「何を持つか」ではなく「何を手放せるか」なのでしょう。
命を守るために、持ち物に執着しない心構えを持ちましょう。
そして、日頃から「逃げる」シナリオを想定した準備を進めておくことが、最悪の事態を回避する鍵となります。