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子供から教わった『足らぬ足らぬは工夫が足らぬ』– 防災とキャンプで活きる昭和の知恵とその由来

コラム
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子供から不意に飛び出した「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」という言葉

その瞬間、思わず「何でそんな言葉を知ってるんだ?」とツッコんでしまいました。
でも、その響きがどこか懐かしく、聞き覚えがある気がしました。
確か、自分が子供の頃にも耳にした言葉だな…と思い出し、改めてこの言葉の意味を調べてみました。

それ以来、頭の中でこの言葉がぐるぐる回っています。
「足りない、足りない」とつい言ってしまいがちですが、もしかしたら足りないのはリソースではなく、工夫かもしれない。
日常生活だけでなく、防災やキャンプのように限られたリソースの中で生き抜く場面でも活きる言葉です。

「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」の由来

この言葉の由来を辿ると、特に戦後の日本における復興期に多く使われていたことがわかります。

第二次世界大戦後の日本は、物資が不足し、経済も困窮した状況にありました。
しかし、そんな状況の中でも諦めることなく、限られた資源でいかに工夫し、新たな道を切り開くかが求められていたのです。
そこで「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」という言葉が広まり、創意工夫を重んじる精神が日本全国に広がっていきました。

一部では、この言葉が当時のプロパガンダ的な役割を果たしていたとも言われています。
限られたリソースの中で成し遂げなければならない状況下、周囲を鼓舞するために用いられていた側面もあるでしょう。
しかし、その根底にあるのは、あくまで「与えられた条件の中で工夫を凝らし、前進する」ことを奨励する精神です。
現代の「少ないものでやりくりする」ミニマリズムやエコの精神にも通じるものがあります。

昭和マインドと「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」

私が思春期を過ごした昭和の時代、周囲のいわゆる団塊世代の大人たちは「とにかく体力と根性で突っ走れ!」という雰囲気がありましたが、実はしっかりと考えていたんだなと改めて気づきます。
団塊世代の親世代が教えてくれた、「物が足りなくても、創意工夫でなんとかしよう」という姿勢がこの言葉に凝縮されています。

昭和時代は現代と違い、資源や選択肢が限られていたけれど、その中で「どうすればうまくやれるか」を考え抜く知恵や工夫が重視されていました。
「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」はそんな時代の日本人に必要なマインドなのかもしれません。

防災やキャンプでの「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」

防災やキャンプの場面でも、この言葉の教えは活かせます。
災害時には電気や水などの供給が限られ、キャンプでも荷物は限られています。
その中で「何が足りないか」と嘆くのではなく、「今あるものをどう最大限に活かせるか」を考えるのが大切です。

例えば、持っている道具だけで調理する方法を工夫したり、電力を節約しながら使える道具を活用するなどのアイディアが求められます。

こうした場面では、リソースの限界に囚われず、柔軟な発想で乗り越えていく「工夫の限りなさ」が重要です。
「足りない」と感じた時こそ、思考力をフルに発揮し解決へと進んでいく、その力強さがこの言葉に表れています。

自分の工夫が足りないだけなのに

この言葉は、一見時代遅れに聞こえるかもしれません。
でも、現代のライフスタイルや災害対策、キャンプといったアウトドア生活にもしっかりと通じる教訓です。
ついリソースが不足すると諦めてしまいがちな現代だからこそ、この昭和の知恵を見直してみるのも良いかもしれません。

「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」— リソースには限りがあるけれど、工夫することには限りがない。
突き詰めればこの言葉は、相手の条件を動かすのではなく、自分の工夫で道を切り開く精神のこと。
これからもこの言葉を心に刻んで生きていきたいと思います。

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